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裁判手続きについて

民事訴訟

 市民の間で、権利義務等をめぐって争いがある場合に、裁判所に、国家権力を背景に裁定してもらうことにより解決を図る制度です。
 「国家権力を背景に」とは、裁判に欠席したり、言うべきことを言わないでいると、裁判所が有無を言わさず判決を下して紛争を裁定するということを意味します。
 なお、民事訴訟を起こしても、手続の過程で、双方がお互いの主張を譲り合い、和解することもあります。

少額訴訟

 民事訴訟により判決をもらうためには、結構な時間、労力それに費用を強いられます。しかし、紛争の対象(訴額)が余り高額ではない場合、それでは割に合いません。

 そこで、少額の民事上の紛争について、紛争額に見合った時間と費用と労力で、効果的に紛争解決を図ることができるように、手続をできる限り簡易にして迅速な解決を可能にしたのが少額訴訟手続であり、簡易裁判所の民事訴訟手続の特則です。

 少額訴訟は、60万円以下の金銭支払請求事件について、1人の原告について、同一の簡易裁判所に対して年間10回に限り提起することができます。

民事調停

 市民の間で、権利義務等をめぐって争いがある場合に、裁判所に間に入ってもらい、話し合いをして双方がその言い分を譲り合うことで紛争を解決する制度です。
 話し合いが基本ですから、相手が話し合いに応じなければ、調停は成立しません。
 話し合いが成立すれば、裁判所が間に入って成立したのですから、相手がそれを守らなければ、強制執行することができます。
 家事事件などの中には、民事訴訟を起こす前に必ず民事調停を試みなければならないという事件もあります。

民事執行

 民事裁判で裁判所の判決が下されても、また、民事調停で話合いがまとまっても、相手方がその判決や調停内容に従うとは限りません。
 そこで、そのような場合に、判決や調停の内容を強制的に実現する手続が必要となります。
 この判決や調停の内容などを裁判所に強制的に実現してもらう手続を強制執行(民事執行)といいます。

民事保全

 民事訴訟は、先に述べたとおり、市民の間で、権利義務をめぐって争いがある場合に、裁判所に、国家権力を背景に裁定してもらうことにより解決を図る制度です。

 しかし、民事訴訟で裁判所が判決を下すまでには時間がかかるので、債務者が唯一の資産を処分しようとしたり、売主が売買契約の目的物を他の第三者にも売却しようとしてしている場合など、民事訴訟による解決を待ったのでは間に合わない場合が出てきます。

 そこで、そのような場合に備えて、権利を保護するために、権利を主張する者に暫定的に一定の権能ないし地位を認める手続が民事保全の制度です。

 民事保全には、その目的と方法によって、仮差押え仮処分があり、さらに仮処分は、係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分に分かれます。

 民事保全手続で仮差押・仮処分の決定を出してもらうためには、裁判所から命ぜられた担保を立てる必要があります。この担保は、民事保全により債務者が被る可能性のある損害を担保するもので、法務局(供託所)に金銭を供託する方法が一般的ですが、銀行との間において支払保証委託契約を締結する方法なども認められています。

支払督促

 金銭その他の代替物又は有価証券の一定数量の給付を目的とする請求について、裁判所書記官が、債権者の申立てにより、債務者を審尋しないで債務者にその給付を命ずる旨の処分を支払督促といいます。

 給付を命ぜられた相手方が督促異議を申し立てると、通常の民事訴訟手続に移行しますが、督促異議の申立てがなければ、支払督促に仮執行宣言を付し、これに基づいて直ちに強制執行することが可能となります。

 このように、支払督促は、民事訴訟における判決同様、債務名義となりますが、金銭その他の代替物又は有価証券の一定数量の給付を目的とする請求についてしか申立をすることができません。

(千賀守人)

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